シリーズ京丹波の自然1「近畿自然歩道仏主~綾部」

更新日:2022年04月01日

こんにちは。地域おこし協力隊の岩井です。

私が京丹波町へやってきて早1年、四季の移ろいを感じたり、町内のさまざまな自然を訪れ、さまざまな景色を見ることができました。

木育、木質資源・地域資源の活用を担当するものとして、多少は樹木に詳しいものですから、その土地その土地の様相というものも段々と分かってきました。

これまで見てきた自然をただ収めておくのも勿体無いですし、町内の知られていない自然を再認識する、町外の人に知っていただく機会にしたいと思い、今回「シリーズ京丹波の自然」として発信していきたいと考えました。

地域でよい景色がある、よい山があるなどございましたら、是非とも情報をお寄せいただきたいです。

近畿自然歩道とは

近畿自然歩道は整備中も含め、全国に10ある長距離自然歩道の1つです。その地域の自然・文化・歴史・風土を感じるようなコース設定がされています。環境省と都道府県がその計画にあたっています。

近畿2府7県にまたがり、全長3,300キロメートルもあり、京都府下では丹後から南丹を通り、亀岡から大阪へ繋がっています。

京丹波町では綾部市から和知の仏主を通り、長老ヶ岳から美山へ繋がる極限定的な位置取りではありますが、京丹波町北部の自然を感じることができるコースになっています。

仏主~綾部コース

今回は和知の仏主から綾部に向かう峠道コースを踏破しました。上林峠と呼ばれているそうで、古道が基になっているのでしょうか。

仏主バス停~作業広場

仏主バス停から川上方面に進みます。そうすると民家の切れたあたりで左手に「近畿自然歩道 長老ヶ岳を訪ねる道」と書かれた標識が立っています。ここがスタート地点になります。「山の家バス停10.5キロメートル」(左手)方向が綾部への道です。反対側は長老ヶ岳への道ですが、今はまだ7月豪雨の爪痕が残っているため、近畿自然歩道の長老ルートは厳しいかもしれませんね。

スタート地点から先は府道51号舞鶴和知線の不通区間になっています。道は林道のようで、周りは木々が茂り、川沿いを進んでいきます。車で通れるぐらいの幅はあります。川沿いには石垣の上に植林されていて、数十年百云十年経った今でも、昔の人の暮らしの跡が残されていることに感じるものがありますね。

しばらく進むと開けた場所に行き着き、「仏主バス停1.7キロメートル」の標識が立っています。

丸太の前に立つ掠れた文字で仏主バス停までの距離が書かれてある標識の写真

仏主バス停1.7キロメートル

作業広場~谷

広場は土場のようで、川を挟んで橋が架かっています。橋を渡ると陥没した道に続いており、川を渡って道なりに進んでいきます。左手斜面上部に向かって道がありますが、別のルートになります。

渡った先はまた川沿いの道になりますが、足元は安定しています。人工林も見られますが、広葉樹も多くまだらな植生です。川沿いにはオオバアサガラがたくさん生えていました。斜面側には、葉が落ちていたので詳しくはわかりませんが、よく見るタイプの雑木が生えていました。

しばらく進むと車止めのチェーンが張られており作業道である旨が書かれています。ここを越えたあたりに橋がありますが、ここから水に浸食された道になるので、かなり凸凹しています。凸凹道を終え、川から離れる左カーブに着くと、雰囲気が変わり、尾根道のような感覚です。

コナラやクヌギなどの落葉樹が目立ち、少し進んだところではモミやイワカガミなどが現れ、標高が高くなったことを感じませます。何度か谷と尾根を越えると、「仏主バス停4.5キロメートル」の標識が立っている谷に行き着きます。

森の中に大きくそびえ立つモミの大木を下から見上げている写真

モミの大木

谷~市町境

標識の横から谷を上がる坂道があるので、そこを上がっていきます。傾斜はそれなりにあり、途中からは杭が打たれた簡易階段になっています。

距離は長くありませんが、傾斜があるので、体感時間は長いです。道は途中から対岸に続き、斜面を一気に上がる階段に繋がっています。ここを上った先が市町境になっており、「仏主バス停4.8キロメートル」の標識が立っています。ベンチが置かれており、周囲は小高い尾根道で、綾部側が人工林、京丹波側が天然林の少し変わった雰囲気です。綾部側から吹いてくる風が汗を掻いた体には寒いです。

尾根を「山の家バス停」方向(東)に進みます。ところどころにテープが巻かれているので道はわかりやすいです。少しした所で「市町境0.2キロメートル」の標識があります。ここが綾部側近畿自然歩道のルートの出発点になりますが、今回はここまでです。

山の斜面に丸太の杭が打たれた簡易的な階段が山の上の方まで続いて設置されている写真

ラストスパート

山の中に設置されている仏主バス停と山の家バス停までの距離がかかれた市町境の写真

市町境

寄り道

市町境からそう遠くない所に三等三角点746.12メートル地点があります。折角なので寄り道してみることにしました。調べたところによると、中津灰と呼ばれる場所のようです。

中津灰

「市町境0.2キロメートル」地点から東側の斜面を登っていきます。道らしい道もなく、広い上り坂なので目的地が分かりにくいです。倒木も多数ありましたが、辛うじて残雪のあるような場所ですので、この辺一帯では特に寒さの残る地点のようです。周りの景色は特別臨めませんが、木々の間から向いの山ぐらいは見えました。土壌はよく発達しており、落ち葉も積もっていました。木々の間隔は広いので、新緑の季節には面白いかもしれませんね。

斜面を登りきると小ピークになっています。かなり古い境界杭が打たれていました。眼前には中津灰の山がそびえ、見事な山型です。ここから斜面を下り、さらに中津灰に向かってラストスパートをかけます。

斜面を登りきると小高い平らな広場になっています。中央あたりに三等三角点が打たれており、登山者のものとみられる山名看板も見受けられました。周囲は特に景色はなく、長老ヶ岳方面にそれらしい山が見えますが、特徴の電波塔が見えないことから、手前の山が邪魔をしているのかもしれません。

落ち葉の積もった雑木林の中に、地表に埋定された三等三角点のある写真

中津灰山

まとめ

仏主バス停からは往復で4時間程度でしょうか。

昼休憩などを合わせると5時間は見ておいたほうが良いですね。

全体的に新緑や秋によさそうな木々が多かったため、行楽シーズン向けのコースです。ただ遠景は臨めませんので行程を楽しむのが良いでしょう。

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