京丹波町フードバレー構想の発表について

更新日:2023年06月30日

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フードバレー構想の概要

京丹波町は、恵まれた風土と先人から受け継いだ農地を守りながら、「食の町」といえるまちづくりを進め、古くから交通の要衝として人々の往来も多く、丹波高原の豊かな自然は、人々に癒しを与え、多くのファンを作り出す魅力を有しております。
町には「豊かな食」を生み出す基盤があり、京丹波町の最大の魅力であり強みである「食」を中心として、「農業」「観光」「情報」「産業」が連携を図り、町の魅力を高め、活力を生み出すことを目的に『フードバレー構想』を策定しました。

(1)策定の趣旨

本町は、農林業を主産業として発展してきました。近年では、水稲を中心とした農業経営のほか、丹波地域特有の自然を生かした黒大豆や丹波くり、小豆などの丹波ブランド、さらには京野菜などが生産され、加工品も含め京丹波町内の道の駅等で販売されています。
このように、京丹波町は、恵まれた風土と先人から受け継いだ農地を守りながら、「食の町」ともいえるまちづくりを進め、多くの人々の食の豊かさを支えてきました。
また、丹波高原の豊かな自然や、京都府唯一の鍾乳洞、自然遺産ともいえる河岸段丘の景観は、人々に癒しを与え、現在のアウトドアブームからも多くのファンを作り出す魅力を有しております。
一方、京丹波町には国道9号線、27号線、173号線の3つの国道とJR山陰本線が走るなど、古くから交通の要衝として栄えてきました。さらに近年では、京都縦貫自動車道も開通し、大阪や兵庫の都市部へのアクセスは飛躍的に向上し、かつ、中京圏へも2時間程度で移動が可能となったこと等により、町内の交通量は飛躍的に増加しています。
このように、町には「豊かな食」を生み出す基盤があり、人には創り出すことができない「自然という魅力」もあり、町への移動を可能とする「便利な交通網」の整備も進んできましたが、これらの恵まれた資源が町の活性化につながっておりません。このことから、京丹波町の最大の魅力であり強みである「食」を中心として、「農業」「観光」「情報」「産業」が連携を図り、町の魅力を高め、活力を生み出すことを目的に『フードバレー構想』を策定しました。

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(2)京丹波町の現状と課題

町内の農業を巡る情勢は、慢性的な担い手不足の上、高齢化の進行により、農地の遊休化などの課題が生じています。このため、安定した収入が得られる農業経営を確立し、担い手を確保するとともに、生産力維持に向けても農地の保全に取り組むことが必要です。また、本町は、乳用牛・肉用牛、養豚、養鶏等の畜産業も盛んであり、遊休農地の解消と安心・安全な粗飼料の供給、高騰する肥料の対応も含め、耕種農家と畜産農家の連携をさらに強めることが必要です。


町内の人口は、令和2年国勢調査では前回調査から概ね10%減少し、合わせて高齢化も進行していることから、地域の活力は低下しています。一方で、京都縦貫道に設置している「道の駅」など一部の施設では多くの集客がありますが、施設周辺にとどまり、地域への新たな人の流れは生み出しておりません。このことから、道の駅で販売する農産物や加工品等の「食の魅力」により、地域へ人を呼び込み、地域の活性化につなげることが必要です。


地域への人の流れづくりにあたっては、食×観光の取組を通じて、地域を目的地として定着させることが必要で、そのためには地域での受け入れ態勢を整えるほか、特に日帰り観光圏内の京阪神、中京エリアへの情報発信が必要です。また、人口課題の解決に向けては、町内に働き場を確保することが重要であり、地元企業等とも連携するなか、移住・定住の取組とも連携し、進めることが必要です。
これらの実現には、様々な分野のステークホルダーが連携することが必要で、町の魅力で強みである「食」を中心とした結び付きをつくり、「食」と地域の有するポテンシャルを最大限に活用するための推進体制の構築と戦略が求められています。

(3)京丹波町における「食」の可能性

これまで日本では、ヒト・モノ・カネは都市に集中し循環してきましたが、将来的な食糧不足への不安や、自然環境の保全等への関心や意識が高まり、SDGs等を通じた活動も含め、中山間地のような下流域の生活を守る地域への投資が進み始めています。


また、「生きることは食べること、食べることは生きること」であり、農林水産業は人が生きていく上で欠かせない分野で、食事は健康や生活を豊かにするために重要なものとして、潜在的な部分も含め多くの人々から関心を集めます。
さらに、京丹波町は高速道路等の活用によるアクセスが便利であるとともに、その風景は人々にふるさとを想わせる魅力があり、当町の立地条件等からも「食」に関する産業は成長産業として大いに期待ができます。


加えて、 近年では、ふるさと納税やECサイトなど、インターネット上での市場が拡大しています。これを機として購入者等とのつながりを深め、京丹波町ファン(=関係人口)を増加させることで、移住にもつながるきっかけが生まれます。

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(4)京丹波町フードバレー構想で目指すもの

  京丹波町には、「食」「交通」「景観」「人(温もり)」等の魅力と強みを有しています。このことから町の活性化には、これらの財産のフル活用に向け連携体制を構築し、有機的に施策を進めることが必要です。


フードバレー構想では、これまで進めてきた農業や加工業など食に関連する取組で、成功しているものや芽吹き始めたもの、新たに取り組むものも含め、新たな連携の枠組みで共に検討し、協力しながら「食の町」の実現を目指す体制として、「フードバレー協議会」を設立します。


このフードバレー協議会は、第2次京丹波町総合計画で定める「官民連携」の方針のもと、官民の垣根を越えて共通の目的を持って地域の活性化を進めるもので、政策の分野を越えた連携により、合理的で効果的な事業の推進を目指します。


なお、成果指標として、「域内食料自給率の向上」「観光消費額の増加」「関係人口の増加」「起業や企業誘致の増加」を設け、到達度等も確認しながら取組を進めるなか、全国から「食の町」と認知される京丹波町を実現します。
また、SDGsを共通言語として、町民参加を促しながら、地域の抱える課題解決にも努めます。

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